2024.12.03メールマガジン
26卒早期化と学生の業界・企業研究理解 他
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■概要
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-学生の行動早期化が顕著に:インターンシップ参加率75%超。インターン等の意識し始め、3年生春までで65%(昨対+6.1pt)
-企業も早期化:活動計画が春から加速
-学生の「手軽さ重視」傾向が加速
選択基準の変化「1dayだから25.2%(+9.6pt)」「選考がない13.8%(+6.1pt)」
-視野の収束:接触数が増加する一方で、情報収集に限界感も
-学生が抱える準備不足の課題:深まらない企業理解と疎かになる選考準備
業界研究「やり方が分からず困っている」「取り組んでいない・取り組む気はない」が増加(+4.4pt)
-オンライン化が進む就活環境
-採用側の対応:学生を取り巻く環境を受けて
-大学キャリアセンター・就職課職員の方が心がけるべきこと
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2026年卒学生のインターンシップ・オープンカンパニーへの参加も積極的で、学生・企業の活動が活発化しています。その中で、学生の準備状況や企業との接点のあり方に新たな課題が見えてきました。この半年間のデータを振り返りながら、学生の動向やそれに呼応する企業の動き、現状を整理したいと思います。
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■TOPICS
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●インターン等の意識し始め、3年生春までで65%(+6.1pt)
●実際に、早期時点でアクションが多く、絞り込みは加速
●選択基準の変化は「1dayだから25.2%(+9.6pt)」「選考がない13.8%(+6.1pt)」
●一方で、業界研究は、「やり方が分からず困っている」「取り組んでいない・取り組む気はない」が増加(+4.4pt)
●今後、企業の絞り込みが加速しつつも、理解度が甘いままの本選考突入(場合によっては内定・入社も)
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■学生の行動早期化が顕著に:インターンシップ参加率75%超
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26卒学生のうち、インターンシップ・オープンカンパニーに参加した学生の割合は75%を超え、大多数の学生が早期に企業との接触を進めています。
背景として、3年生春までにインターンシップやオープンカンパニーを意識し始める」と回答した学生が65%に達し、昨年比で+6ポイントという結果が出ています。夏時点ですでに、学生の意識が早期化していることが分かります。実際に、24年6月時点では、インターンシップやオープンカンパニーについて「既に参加した」「これから参加する予定」と回答した学生が56.5%にのぼり、半数以上が3年生夏までに何らかのアクションを起こしていることが確認されました。
■企業も早期化:活動計画が春から加速
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学生の早期化の背景には、企業側の活動計画の前倒しも大きく影響しています。24年7月の調査では、企業がオープンカンパニーを実施するための検討時期として、5月(13.3%)、6月(42.2%)となっています。インターンシップルール変更が定着したことに対応して、1dayのプログラムが実施しやすくなったことにより、学生と企業の接点がより早期に増加していることが明らかです。
■学生の「手軽さ重視」傾向が加速
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一方で、学生のインターンシップ選びにおいて、「企業・業界」を基準とする割合は昨年比で10.2ポイント減少し、68.3%となりました。一方で「1dayだから」(+9.6ポイント)、「選考がないから」(+6.1ポイント)といった項目が増加しており、学生が効率性や手軽さを重視している傾向が浮き彫りになっています。
この背景には、限られた時間の中で情報収集を効率的に行いたいという学生のニーズが見て取れます。準備や移動の負担が少なく、短時間で多くの情報が得られるプログラムが求められていると言えるでしょう。
■視野の収束:接触数が増加する一方で、情報収集に限界感も
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学生の企業接触数は、9月時点で平均25.3社と昨年比で+3.0社と増加しています。しかしながら「志望企業をさらに増やしたいか」という問いには、「増やしたいと思わない」と回答した学生が26.0%と昨年比で+6.1ポイント増加。「志望する企業・業界以外の情報収集を続けるか」という問いでも、「いいえ」と回答した学生が35.4%と、昨年比で+8.1ポイント増えています。
こうしたデータから、学生が一定数の企業と接触を持ち、その結果にある程度満足し、これ以上視野を広げる必要はないと考えている傾向が伺えます。採用・広報活動のスタートが遅れがちな中小企業は、秋冬以降のプロモーション効果が限定的になる可能性があります。25卒でも、企業側のエントリー充足状況が二極化したといった結果があり、こういった市場の早期化とその対応状況が影響していると考えられます。
■学生が抱える準備不足の課題:深まらない企業理解と疎かになる選考準備
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興味深いデータとして、学生の約3割(29.4%)が「企業・業界研究のやり方が分からない」「まだ取り組んでいない・取り組む気がない」と回答しており、情報収集やその整理が不十分なまま年明けを迎える学生が少なくないことが分かります。
一方で、一部の企業では、インターンシップの参加者をそのまま本選考につなげる取り組みを強化する傾向も見られます。
しかし、学生の中には「案内が来たから参加する」という消極的な姿勢でプログラムに臨んでいるケースもあり、企業・仕事理解が曖昧なまま選考に進むリスクも指摘されています。この結果、面接時の応募者理解の低さに直面する可能性もあり、企業側としても面接官との期待値調整が重要になると考えられます。
■オンライン化が進む就活環境
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また、コロナ禍以降定着したオンライン開催の影響も無視できません。オンラインインターンシップや説明会の増加により、物理的な負担は軽減される一方で、対面時に比べた「体感的な理解度の低さ」や「コミュニケーション不足」に悩む学生も多いようです。
このため、オンラインと対面の両立を検討し、学生との接点を多面的に設けることが求められています。
■採用側の対応:学生を取り巻く環境を受けて
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●年明け以降の選考段階での期待値調整の重要性
インターンシップやオープンカンパニーの実施で得られる学生情報を採用選考にどう活用するかが、年明け以降の大きなポイントとなります。近年、学生が手軽な形式のプログラムを好む一方で、プログラム参加時の理解度が不十分なまま選考に臨む傾向があります。この結果、企業側の期待値と学生の理解度にギャップが生じ、選考のミスマッチや学生の辞退リスクが高まる可能性があります。
これから採用のフェーズで学生と対面する担当者の皆様におかれましては、以下のような項目が重要になると考えられます。
・インターン参加者のフォロー
面接フローでの認識差を埋める工夫が必要になると考えられます。全ての学生を対象するのは難しいかもしれませんが、インターン参加学生にフォローアップを実施し、選考前(中)の理解促進を行うことは有効です。
・面接官の期待値調整
面接官向けに、応募者の「インターンシップ参加状況」や「業界・企業理解の深度」を正確に把握するためのトレーニングや資料を提供し、評価基準の共有を徹底する。
・選考時のフィードバック
選考時に、学生の志望動機や理解度に合わせた丁寧なフィードバックを行い、選考プロセスを通じた企業理解の深化を促進する。
●26卒の傾向をふまえた27卒以降の設計
年明け以降、26卒の採用広報・選考準備と共に、27卒の早期活動の設計が進行します。来期の採用活動では、以下のような施策が求められます。
・春・夏に向けたプログラム設計の強化
3年生春までに動き出す学生を逃さないための早期プログラムの設計を進める。
・「手軽さ」を打ち出したプログラムの提供
学生の参加ハードルを下げる1dayプログラムや選考負担の少ない形式の活用。
・オンラインと対面のハイブリッド型アプローチ
オンラインでの利便性を確保しつつ、対面で深いコミュニケーションを取る場を設ける。
■大学キャリアセンター・就職課職員の方が心がけるべきこと
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学生の就職活動が早期化し、オンライン化が進む中、大学キャリアセンターや就職課の職員の方が果たす役割はますます重要になっています。以下に、学生支援の現場で心がけるべきポイントを挙げます。
●早期段階での意識づけと情報提供
学生の多くが3年生春までにインターンシップやオープンカンパニーを意識し始めています。これに伴い、キャリアセンターでは、2年生後半からの早期ガイダンスや個別相談を通じて、就職活動の基本的な流れやタイムラインを早めに共有することが重要です。また、3年生になった段階で具体的なプログラムや企業情報を提供し、行動を後押しする仕組みを整えることが求められます。
●オンラインと対面のハイブリッド型支援
学生の行動がオンラインと対面を組み合わせた形式に適応しているため、キャリアセンターでも両方の利便性を活用する支援が効果的です。たとえば、オンラインでの企業説明会やエントリーシート添削講座を開催しつつ、対面では個別の深い相談や模擬面接を実施することで、学生一人ひとりに合ったサポートを提供できます。
●情報整理スキルの育成
データによれば、約3割の学生が「業界・企業研究のやり方が分からない」と感じています。キャリアセンターとしては、企業・業界研究の手法を具体的に指導する講座を設けたり、情報の整理や分析を支援するツールを学生に紹介するなど、情報収集のサポートに力を入れることが大切です。具体的な例を示すことで、学生の自発的な行動を促しましょう。
●エントリー後の準備支援
インターンシップやオープンカンパニーに参加した学生が、その後の本選考の準備に十分な時間を割けないケースが増えています。職員の方々は、エントリーシート作成や面接練習といった次のステップを見据えた指導を早い段階から行い、学生が余裕を持って選考に臨めるようサポートする必要があります。
●企業との連携によるマッチング精度の向上
学生が企業や業界を曖昧に理解したまま選考に進む傾向がある中、キャリアセンターが企業と連携して、学生の志望動機や企業理解を深める場を提供することが効果的です。合同説明会や個別相談会で、学生と企業が直接対話する機会を設けるとともに、学生が具体的なイメージを持てるような情報を発信することを心がけてください。
●準備が遅れている学生へのフォロー
一部の学生が早期に動けない理由として、情報不足やスケジュールの管理が難しいことが挙げられます。こうした学生に向けては、1対1の個別相談や、就職活動の基本的なステップを学べる支援プログラムを用意し、無理なく動き出せる環境を整えることが重要です。
キャリアセンター・就職課の職員の皆さまには、こうした変化する就職市場のトレンドを正確に把握しながら、学生一人ひとりのニーズに寄り添ったサポートを行っていただければと思います。学生の不安や準備不足を解消することで、より充実した就職活動を実現する一助となるはずです。
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いかがでしたでしょうか。
学生アンケート調査は、以下に掲載予定です。
https://www.careerpartners.co.jp/type_laboratory_news/enquete/
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
〔ブンナビ編集長 間宮 康之〕
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