2022.03.22メールマガジン

<採用情報公開と情報の質>企業・大学・学生に求められること

2022年3月1日(火)。
日付変更とともに、各社の2023年卒向けの就職サイトがOPENしました。

▼主な就職サイトの掲載件数(3/14時点)
「リクナビ」14,078件
「マイナビ」26,628件
「キャリタス就活」17,553件
「あさがくナビ」10,487件
「ダイヤモンド就職ナビ」3,704件
「アクセス就活」850件
「ブンナビ×読売新聞」8,260件

3/1は、募集要項・採用情報の解禁日となっていますが、実態としては企業も学生もその前からインターンシップなどで接触・情報収集をしています。もはや、形式的になりつつある「3/1」ですが、ここで公開される「求人情報」には大きな意味があります。

今回はこの「求人情報・原稿」にスポットを当て、昨今の原稿審査の流れと注意したい点をお伝えいたします。

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■アウトライン■
【1】求人(広告)における給与の原理原則
【2】主要サイトのフォーム・審査体制の動き
【3】全国求人情報協会と採用ホームページ・情報収集サービス
【4】企業・大学・学生に求められること
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【1】求人(広告)における給与の原理原則
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3/1に公開される採用情報(募集要項)は、求人サイト上では求人広告という扱いとなり、その原稿には審査が入ります。審査項目については、応募資格・提出書類・試用期間など様々なものがあります。特に給与(賃金)部分は複雑で、例年原稿審査を行っていてもこの部分は一筋縄ではいかない項目です。

給与についてのルールは非常に細かく詳細に例示するときりがありません。一言でいうと以下の通りです。

給与欄の原則=「誰もがもらえる一律の下限金額を明示する」

しかしながら、実際の給与(待遇)は、以下の条件によりさまざまに分岐します。
・学 種=院卒・大卒・専門卒・短卒・・・
・職 種=総合職・エリア総合職・エンジニア職・事務職・業務職・・・
・勤務地=東京・関東圏・大都市圏・本社・支社・・・

そして、採用情報を掲載する企業からすれば、当然「実態に沿うレベルで、なるべく高い金額を、それぞれ場合分けして表記したい」と考えるのも自然なことです。

さらにここに、「△△の場合は〇〇手当××円」「〇〇手当を含み××円」「みなし残業代含む××円」といったものが重なります。併せて、都道府県ごとに異なる最低賃金を下回らないかにも留意する必要があります。給与欄の原則に従い、シンプルに書くのであれば、「学種・職種・勤務地」を総合して最も低い金額(下限)を一つ記載すればよいのですが、実際には上記のような背景で複雑にならざるを得ません。

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【2】主要サイトのフォーム・審査体制の動き
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ブンナビでは、かねてより、「原稿更新時の都度審査」を行っており、併せて「給与欄含めた審査体制強化」を進めておりました。サービスによっては都度ではないものもあるようですが、各社ごとに掲載までのフローや対応数、審査部との調整・代理店とのバランスなどもことなるため、ここではその差異については深く触れません。

しかし2023年卒より、この項目への審査体制にも変化が置きつつあります。主要サービス(複数社)も、この点について入力フォームの変更や審査体制の強化に取り組んでいるようです。実際に、サービスを利用されている企業側の担当者の方も「2023年卒からフォーマットが変わり、審査も細かくなった」という印象をお持ちではないでしょうか。

この傾向は、採用情報(募集要項)を見る学生にとっては、非常に良いことだと思われます。

就職活動に臨むうえで、準備すべきことは多岐にわたります。自己分析・自己PR・業界研究・企業研究・試験対策・ES対策・面接対策・・・。しかしながら、就職活動の根本は「進路・職場を決めることであり、その環境・条件・待遇」について、正しい情報の開示がされることは、本来は大前提というべき項目です。

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【3】全国求人情報協会と採用ホームページ・情報収集サービス
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主要な求人サイトは、「全国求人情報協会(全求協)」に加盟しており、「求人情報提供ガイドライン」、もしくはそれ以上の基準を自主的に設け、信頼される求人メディアになるべく対応をしています。
※全求協は、厚労省や労働局と連携し、求人情報提供のレベル向上・周知啓蒙などを行っています。そのため、就職サイト上にある求人情報(原稿)は、一定の質を保っているといえます。

しかし、世の中にある求人情報はこれだけではありません。就職サイトには、頻度の差はあれ必ず原稿審査が入り、審査を通過しない原稿が公開されることはありません。しかしながら、企業が独自に持つ「採用ホームページ(パンフレット)」には、もちろんですが第三者の審査は入りません。

実際にサイトの原稿審査の中で、他サイトや採用ホームページを確認することがありますが、「就職サイトは基準にのっとっているが、採用ホームページは表記が曖昧」といったケースは少なくありません。大手企業については、募集要項も企業からの開示情報ですので、必ず審査部を通しているところももちろんあるでしょう。ただ、全ての会社が必ずそうしているとは言い切れないのが実情です。

そして、採用ホームページ上の情報を取得して掲載するサービスの情報もまた、審査の基準はあいまいです。

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【4】企業・大学・学生に求められること
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3/1、採用情報が解禁されて2週間が経ちます。
この募集要項に記載されている情報に、どれだけの人が注目しているでしょうか。おそらく実態としては、解禁前にインターンシップで接触した企業・学生同士が、さらなる情報収集・交換を進めている状態です。

弊社2月の学生アンケートによると「企業情報・掲載情報で気になるもの」のTOP5は以下の通りです。
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■企業情報で気になるもの(2023年卒対象・2022年2月調査)

61.0% 社風
56.1% 福利厚生制度
55.0% 勤務地
48.2% 事業概要
45.2% 理念・ビジョン
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この調査の中で、「給与」は16項目中下から5番目で30.3%となっています。

学生自身が、自らが将来身を置く環境・条件について、もう少し意識すること
大学側が、その啓蒙と具体的な読み解き方の情報提供をすること
採用側が、正しく情報を開示してミスマッチを防ぐ採用をすること

より良い就職環境・ミスマッチを防ぐ採用のために、それぞれの立場でさらに求められることがあると感じています。今回のメルマガでは、採用情報の質・読み解き方について、このような問題提起をさせていただきました。そして他人事ではなく、就職情報会社として、皆様三方を支援し環境・情勢を作ることが望まれていると感じております。

今後ともよろしくお願いいたします。

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※冒頭の掲載件数については下記URLにて確認(一部トップ画面URL)

リクナビ
https://job.rikunabi.com/2023/s/

マイナビ
https://job.mynavi.jp/23/pc/toppage/displayTopPage/index

キャリタス就活
https://job.career-tasu.jp/2023/search/corp/type/

あさがくナビ
https://www.gakujo.ne.jp/2023/

ダイヤモンド就職ナビ
https://www.shukatsu.jp/2023/company/list

アクセス就活
https://job.ac-lab.jp/2023/front/company/result.html

ブンナビ×読売新聞
https://bunnabi.jp/2023/sh_result.php

※ブンナビ学生アンケート(2023年卒対象・2022年2月調査)
https://www.careerpartners.co.jp/laboratory/enquete/15.html

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〔ブンナビ編集長 間宮 康之〕

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