キャリアセンター長・インタビュー】東海大学ユニバーシティビューロー　キャリア就職担当　ゼネラルマネージャー　文化社会学部広報メディア学科　教授　水島久光　氏

1942年に学園を創立。翌1943年に前身となる航空科学専門学校を開設した。2022年には建学80周年をむかえ、建学以来継承してきた文理融合の理念を新しい時代に受け継ぐため、全学的な改組改編を進めている。全国に広がるキャンパスを連動し、広域かつ地域密着型の教育を目指す先駆的な取り組みに注目が集まる。

今回は、東海大学ユニバーシティビューロー、キャリア就職担当かつ文化社会学部広報メディア学科教授の水島久光ゼネラルマネージャーにお話しを伺った。

◆全学的な改組改編「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」
いま取り組んでいる全学的な改組改編は、長い時間をかけて、多くの人と議論を尽くし、準備を進めてきました。大学としてはいま、来春に向けて、様々な角度から具体的な取り組みを皆さんにご案内しているところです。

「日本まるごと学び改革実行プロジェクト（※1）」と題した今回の取り組みにより、来春から全国5キャンパス8校舎に整備され、新学部の設置や学科を再編して、23学部62学科・専攻体制となります。建学100周年をむかえる2042年の社会ニーズを思い描き、来るべき変化に対応できる大学を目指しています。

事務組織としては、全学を10のカレッジ（学部群）に分け、学生に近いところで、自律分散的な運営を行い、効果効率を上げていく方針で、既に改組に先駆けて、本年度から段階的に移行を始めています。

キャリア・就職支援に関わる組織としては、これまで全学を統括していたキャリア就職センターを発展的に解消し、「ユニバーシティビューロー（高等教育本部）」と「ビーワンオフィス」の全学的な舵取りのもと、各カレッジオフィス（※2）が学部学科毎のニーズに合わせた支援策の企画・運営、学生対応を行います。

カレッジオフィスのキャリア就職担当は、教学系・事務系などの複数の業務を担当し、学生支援に関わる幅広い役割を担います。職域範囲が広がる大変さはありますが、学生からすれば、大学生活におけるあらゆるサービスをワンストップで受けられることになります。

◆全国にキャンパスがある総合大学としての未来
本学は札幌キャンパス（札幌校舎）、東京キャンパス（渋谷校舎・高輪校舎）、湘南キャンパス（湘南校舎・伊勢原校舎）、静岡キャンパス（清水校舎）、九州キャンパス（熊本校舎・臨空校舎）と全国に拠点を持つ総合大学です。その規模を活かしつつ、各地域と連携して、その地に根ざした教育サービスの提供を目指しています。

そのためのツールとして、ネットワーク化、オンライン化は必須でしょう。以前から学内ネットワークを活用して様々な試みをおこなってきましたが、新型コロナの影響で、日常的なコミュニケーション手段としてオンラインが社会的に定着しました。今後はさらに多くの学生、保護者、関係者の方々へ新しい取り組みをお届けできると思います。

各カレッジでは学生や地域のニーズを反映した、より細やかなキャリア・就職支援を実施しますが、全キャンパスに目を向ければ、似た系統の学部学科が存在します。相乗効果が期待できる学科同士、カレッジの枠を超えた連携支援イベントをおこなうなど、より自由度の高い取り組みも進めていきたいですね。

こうした横断的支援は、UIJターンを希望する学生にも役立つサービス提供を可能にします。本学は10年ほど前から「UIJターン協定・プログラム（※3）」に力を入れており、いまでは27の自治体と協定を締結し、就職説明会やインターンシップなどの情報共有をおこなっています。今後は、地域ニーズを理解している各カレッジから、全国にいる本学生に必要な情報発信をするなど、いままで以上に充実した支援が可能になるでしょう。

◆大学生活と一体化したキャリア支援
いま進めている改革を本当の意味で実現するには、教職員がより一層協力し合い、一体となって学生と向き合うことが求められます。誰もが学生のキャリア形成に関わり、支援していく。そうした意識で取り組む必要があります。

そのためには教職員がそれぞれのポジションで学生を支援できるような仕組み作りも必要です。就職活動の学生カルテの役割を果たす「キャリア支援ナビ」を活用し、全学の学生が受験する「４つの力」のアセスメント（ジェネリックスキル測定）結果などを用いて、支援の標準化と品質の向上を図り、教職員が一人ひとりの学生に寄り添えるパーソナルサービスを実現したいと考えています。

さらに来春以降、これまで開講数の問題で全ての学生が受講することができなかったキャリア教育科目を見直し、学部・学科の教育内容とキャリア支援を近づけていく取組も始めます。いま、これまでの3年生（就職対策）向けに加え、新たに1年生向け「キャリアガイドブック（キャリアデザイン編）」の制作を進めています。就職活動が本格的に始まる前に、主体的にキャリア意識の向上を図り、大学4年間の過ごし方を自らデザインできるような力をはぐくむエッセンスを盛り込んだ冊子となる予定です。

学生が自らのキャリアを考えるには、企業との接触を増やしていくことが肝要です。東海JOB-LEAGUE（※4）は、本学独自のインターンシップ制度として1998年度から実施している低学年対象の長期就業体験型プログラムです。

他にもPBL（Project-Based Learning）プログラム、産学連携の研究やイベントなどを拡充して、実社会とつながる機会を増やしていきます。学生には世の中を見る目、企業を見る目を養ってほしいと思っています。

◆未来をつくる学生の育成
今回の改組改編はとても規模が大きいため、仕組みを整えただけでは機能させることが難しいでしょう。理念を礎にして、変えるべき意味を多くの関係者と共有し、私たちのフィロソフィーを大切に思う気持ちが必要です。その定着には少し時間が必要でしょう。ある意味、ここからが正念場なのかもしれません。

改めて、本学が育成したい学生像を考えてみると「未来をつくる学生」と表現できるのかもしれません。新型コロナによる社会の変化は大きく、それに対応できる組織とできない組織を結果的に仕分けることになってしまいました。学生にはその動向をしっかり理解し、変化に対応できる組織を見極め、そこで未来をつくっていける人材になってほしいですね。

未来は不確実ですが、10年後の仕事イメージを持って、10年後の自分に自信が持てるような学生生活を、大学としてもせいいっぱい提供したいと考えています。その実現のため、いま進めている改革に誠心誠意取り組んでまいります。

〔就職情報研究所　所長　平野　恵子〕

※1
日本まるごと学び改革実行プロジェクト
https://tokai-marugoto.jp/

※2
カレッジオフィス窓口・郵送・お問い合わせ先一覧
http://u0u0.net/ViGV

※3
UIJターン協定・プログラム

UIJターン協定・プログラム

※4
東海JOB-LEAGUE

インターンシップ制度

（東海JOB-LEAGUE実習生受け入れのお願い）

東海JOB-LEAGUE実習生受け入れのお願い

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＜大学データ＞
東海大学
●湘南キャンパス湘南校舎
ヒューマンソサエティカレッジオフィス／エンジニアカレッジオフィス／
サイエンステクノロジーカレッジオフィス／リベラルエデュケーションカレッジ
オフィス／ウェルネスカレッジオフィス／グローバルシチズンカレッジオフィス

〒259-1292　神奈川県平塚市北金目4-1-1
TEL:0463-58-1211（代表）0463-50-2080（直通）
FAX:0463-50-2047

学部（*は2022年４月設置予定）
法学部、文学部、文化社会学部、教養学部*、児童教育学部*、体育学部、
健康学部、理学部、情報理工学部*、建築都市学部*、工学部*

●代々木キャンパス／グローバルシチズンカレッジオフィス渋谷ブランチ
（2022年4月より「東京キャンパス渋谷校舎」）
〒151-8677　東京都渋谷区富ヶ谷2-28-4
TEL:03-3467-2211（代表）03-3485-4951（直通）
FAX:03-3485-4954

学部（*は2022年4月設置予定）
政治経済学部*（1・2年次は湘南校舎）

●高輪キャンパス／グローバルシチズンカレッジオフィス高輪ブランチ
（2022年4月より「東京キャンパス高輪校舎」）
〒108-8619　東京都港区高輪2-3-23
TEL:03-3441-1171（代表）03-5475-7150（直通）
FAX:03-3447-6005

学部（*は2022年4月設置予定）
国際学部*、経営学部*、観光学部*、情報通信学部*（1・2年次は湘南校舎）

●清水キャンパス／スルガベイカレッジ静岡オフィス
（2022年4月より「静岡キャンパス」）
〒424-8610 静岡県静岡市清水区折戸3-20-1
TEL:054-334-0411（代表）054-334-0472（直通）
FAX:054-335-7109

学部（*は2022年4月設置予定）
人文学部*、海洋学部*

●伊勢原キャンパス／メディカルサイエンスカレッジオフィス
（2022年4月より「湘南キャンパス伊勢原校舎」）
〒259-1193 神奈川県伊勢原市下糟屋143
TEL:0463-93-1121（付属病院代表）
FAX:0463-93-1157

学部
医学部

●熊本キャンパス／フェニックスカレッジ熊本オフィス
（2022年4月より「九州キャンパス熊本校舎」）
〒862-8652　熊本県熊本市東区渡鹿9-1-1
TEL:096-382-1141（代表）096-386-2630（直通）
FAX:096-386-2747

学部（*は2022年4月設置予定）
文理融合学部*、農学部*

●札幌キャンパス／ウチムラカンゾウカレッジ札幌オフィス
〒005-8601 北海道札幌市南区南沢５条1-1-1
TEL:011-571-5111（代表）011-572-9991（直通）
FAX:011-571-2271

学部（*は2022年4月設置予定）
国際文化学部*、生物学部

●ＨＴＩＣ／ハワイ東海インターナショナルカレッジ