2021.03.02メールマガジン
【キャリアセンター長・インタビュー】福岡大学 就職・進路支援センター センター長(法学部教授)蓑輪 靖博 氏
「大学ブランド・イメージ調査2019-2020」九州・沖縄・山口編で第2位に入るなど、ビジネスパーソンや保護者から高い評価を得ている(※1)。
学生イメージは「自分の意見をしっかり言える」、大学イメージでは「キャンパスに活気がある」などの項目でトップとなった。天神エリアから地下鉄で16分という場所にありながら、福岡PayPayドーム(フィールド面積)約45個分という広大なキャンパスを有し、学生たちは思い思いの場所で4年間を過ごす。
今回は福岡大学就職・進路支援センターの蓑輪 靖博センター長(法学部教授)にお話を伺った。
◆ワンキャンパスで学べる九州最大の私立総合大学
本学は9学部31学科、10研究科34専攻を擁する九州で最も規模の大きな私立総合大学です。学生数が約2万人という規模でありながら、全ての学部学科がワンキャンパスに集まっているというのは、全国的にも珍しいでしょう。学ぶ分野に関係なく、互いに刺激し合える環境が整っています。
教員と学生の距離が近いことも特徴です。キャンパス内を歩いていると、学生から声がかかることも多く、私も雑談したり、質問に答えたりしています。そうした垣根のない雰囲気が「キャンパスに活気がある」という大学イメージにつながっているのではないでしょうか。
風通しが良く、人との交流が活発なのは、福岡という土地柄もあるのかもしれません。アジアの玄関口と呼ばれ、ビジネスや観光を目的に、国内外から多くの人が訪れます。九州各地から学生が集まる主要都市でもあります。多様な人々が集い、暮らす、オープンな雰囲気のあるこの街で、学生たちは偏見のない目を養い、お互いを尊重し合うコミュニケーション力を育んでいきます。
◆地域社会のリーダー的人材の育成
建学の精神は「思想堅実」「穏健中正」「質実剛健」「積極進取」です(※2)。堅実な考え方を持ち、穏やかで偏りがなく、強く健やかな心身で、自ら前向きに行動する。この精神のもとで学問を修めた卒業生は、いまや27万人におよび、九州・沖縄地区の社長出身大学で1位になるなど、地域経済のリーダー的人材が数多く育っています(※3)。ビジネスだけでなく、地域コミュニティーで活躍する人も多く、さまざまな場所で卒業生の活躍を目にすることができます。
本学の教育は「共通教育科目」と「専門教育科目」の二本柱で構成されています。「共通教育科目」の総合教養科目では、総合大学らしい幅広さで、約90ある科目のなかから興味・関心のあるものを履修できます。また外国語教育は必修となっており、学びの基盤を支えます。
座学ばかりでなく、実践的な人材育成にも注力しています。企業や地域と連携したPBL(課題解決型学習)が実施されていますし、1年次からも「現代を生きる (地域企業と連携したPBLを通じて学ぶ社会人基礎力)」という授業が開講されています。インターンシップも活発です。大学独自のものだけでなく、九州インターンシップ推進協議会で実施されるものや官公庁によるもの、海外インターンシップなど、学生はニーズに合わせて選択できるようになっています(※4)。
◆あらゆる学びがキャリア教育となる
社会でいかせる学びは、大学教育のあらゆるところに組み込むことが可能です。私は法学部の教員ですが、法律の理解にとどまらず、ケーススタディーを多く取り入れています。例えば、新型コロナのように予想できない出来事に対して、法律でできることを考えたり、ある分野の法律がなくなったときの影響を検証したりします。
法律を日常生活に落とし込んで考えれば、社会でいかせる思考力が鍛えられます。法の成り立ちや考え方を理解することで、ものごとの本質をとらえる目が養われます。あらゆる大学の学びは、不確実な社会のなかで、自分らしく生きていくための支えとなるはずです。
ワークルールを学ぶことも大切でしょう。基本的なことですが、求人票ひとつとっても、書かれてある言葉の意味を理解しないと、読み解くことができません。アルバイトをするときに、知っておくべき知識もあります。今後は、働き方の多様化にともない、ワークルールが変化していくことも考えられます。社会の変化に合わせた知識提供も、大切なキャリア教育でしょう。
新型コロナの影響で、大学教育のオンライン化が進みました。大変なことも多いのですが、一方で、学生の自律性が高まるというメリットもありました。授業ごとに異なる実施スタイルに対応し、それぞれに課されるレポート締切を管理しなければなりません。日々のスケジュールをコツコツこなす大切さを実感した学生も少なくないでしょう。強制力の弱い自室での学習は、自らを律する力を鍛え、成長をうながす機会にもなりました。
◆オンライン化する就職・採用活動
就職支援も対面からオンラインへと移行しました。当初は不安もありましたが、面談にしても、ES添削にしても、滞りなく実施できることが分かり、逆に支援の幅が広がりました。業界研究会も1月末にライブ配信でおこないましたが、学生の参加状況は予想したよりも多く、今後の可能性を感じました。特に情報収集においては、遠隔地にいる学生が不利にならず、有用性が高いと言えます。
苦慮することもあります。学生の反応や手応えが把握しにくく、支援が必要な学生に気付きにくいことは否めません。孤立しやすい環境なので、こちらからの働きかけを強化する必要性も感じます。この一年でオンライン支援に関するさまざまなデータが集まりました。その結果を、今後の学生支援にいかしていきます。
学生と話していると、全国規模の企業でアクティブに仕事をしたいという考えと、福岡の暮らしに惹かれる気持ちを、同時に感じることが少なくありません。働き方の多様化で、リモートワークが定着しつつあり、学生の選択肢は増えています。採用活動のオンライン化で、地域に関係なく選考を受けることも容易になりました。キャリア選択の広がりに合わせて、新たな支援ニーズにも応えていきたいと思います。
◆実社会で花ひらく福大生
本学生は、対人力を評価いただくことが多いようです(※5)。「社交性が高く、人間関係をつくるのが得意」といった声もいただきます。もともと明るく元気な学生が多く、素直にものごとを受けとめる素朴さもプラスに働いているのでしょう。
活発なサークルや部活動も、良い影響を与えています。大学として「1パーソン、1サークル」を推進していますが、そんなことはせずとも、多くの学生が複数のサークルに所属するなど、とても行動的です。学園祭も含めて、課外活動への意欲の高さは校風と言えます。
企業の方からは、入社してから大化けするという話も聞きます。多様性あるキャンパス内で、多くの学生と切磋琢磨しながら培ったものは、社会に出てから開花するのかもしれません。学生には、自分たちが持っている魅力に、もっと自覚的であってほしいと感じます。そして、彼らの良さを損なわない教育と支援で、今後の社会に貢献できる人材を輩出していきたいと考えています。
※1
日経BPコンサルティング「大学ブランド・イメージ調査2019-2020」
https://consult.nikkeibp.co.jp/info/news/2019/1127ubj_6/
※2
建学の精神
https://www.fukuoka-u.ac.jp/aboutus/philosophy/foundation.html
※3
九州・沖縄地区の社長出身大学分析
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s180803_80.pdf
※4
インターンシップについて
https://www.career.fukuoka-u.ac.jp/stage2/internship
※5
「対人力」全国1位
https://www.fukuoka-u.ac.jp/news/14/06/16113030.html
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<大学データ>
●福岡大学
〒814-0180 福岡市城南区七隈八丁目19-1
Tel:092-871-6631(大学代表)
https://www.fukuoka-u.ac.jp/
就職・進路支援センター(1号館1階)
https://www.career.fukuoka-u.ac.jp/
Tel: 092-871-6631(代)
Tel: 092-864-9674(センター直通)
FAX: 092-861-6301
E-mail: shushoku@adm.fukuoka-u.ac.jp
[学部]9学部、31学科
人文学部、法学部、経済学部、商学部、商学部第二部、
理学部、工学部、医学部、薬学部、スポーツ科学部
[大学院]10研究科、34専攻
人文科学研究科、法学研究科、経済学研究科、商学研究科、
理学研究科、工学研究科、医学研究科、薬学研究科、
スポーツ健康科学研究科、法曹実務研究科(法科大学院)
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