2021.02.16メールマガジン
【22年卒採用ミニレポート 2021年02月版】
本レポートでは、22年卒生を対象とした各種データを紹介しながら、特徴的な動向を定期的に紹介していきたいと思います。今回は、インターンシップを中心に、プレ期のトレンドをまとめてみました。
◆停滞していた夏インターンシップ
この数年、一貫して増加していたインターンシップ参加率にブレーキがかかりました。特に夏インターンは、前年比14.8Ptと大きく減少しています。新型コロナによる21年卒採用の長期化や、オンラインインターンシップの準備に時間を要したためでしょう。情勢的に長い期間の学生フォローが難しく、意図的に実施時期を後ろにズラした企業も少なくありません。その後は少しずつ盛り返し、年明けには前年を上回る状況となっています。
<インターンシップ参加状況の推移>
22卒 21卒 《前年同月比》
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9月 64.1% 78.9% 《-14.8Pt》
10月 72.4% 78.8% 《- 6.4Pt》
11月 71.2% 77.5% 《- 6.3Pt》
12月 77.5% 80.0% 《- 2.5Pt》
1月 76.9% 72.2% 《+ 4.7Pt》
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※弊所、学生モニターアンケートより
◆矛盾したインターンシップ参加状況
一方で、矛盾した動きも見られます。難関大学を中心とした学生アンケートでは、より積極的な夏インターン参加状況となっているのです。「0社(参加なし)」は21年卒12.0%から22年卒8.8%と減少し、参加割合はアップしました。「6社以上」が21年卒の22.1%から22年卒25.7%と、活動量の増加傾向も見られます。全体動向と異なるこの動きは、就職活動への意識の違いもありますが、企業による選抜強化の表れとも言えそうです。
<夏インターンシップの参加社数>
22卒 21卒 参加社数
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8.8% 12.0% 0社
12.0% 10.7% 1社
13.0% 14.8% 2社
13.8% 16.2% 3社
10.5% 12.4% 4社
11.1% 11.8% 5社
25.7% 22.1% 6社以上
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※エンカレッジ「22卒夏インターンの振り返りと秋冬施策のヒント」より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000033607.html
◆プレ期からの厳選化
企業の選抜強化は、インターンシップの事前選考および事後フォローの様子からも感じられます。まず、応募時に対応する項目が、前年よりも軒並み増加しました。多くの事前情報を得て、参加学生を選抜する意図を感じます。また、参加後の学生アプローチ割合が、前年比で12.0Pt減少しました。参加した学生全員を対象に、継続インターンシップや交流会などを案内する動きは衰退して、厳選化する動きが強まっているようです。
<インターンシップ応募時におこなったこと(複数選択)>
22年卒 《前年同月比》
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80.2% 《+ 8.7Pt》 エントリーシート(ES)
48.2% 《+12.9Pt》 Webテスト(筆記)
62.3% 《+15.0Pt》 Webテスト(適性)
35.4% 《+12.6Pt》 自らを録画した動画ES提出
20.4% 《- 6.4Pt》 選考なし
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※弊所、学生モニターアンケート11月より
<インターンシップ参加後の企業アプローチの有無>
22年卒 21年卒 前年同月比
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65.2% 77.2% 《-12.0Pt》 あった
34.8% 22.8% 《+12.0Pt》 なかった
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※弊所、学生モニターアンケート12月より
◆インターンシップと選考の関係が強化
プレ期からの厳選化には、インターンシップと選考のつながり強化が影響しています。学生アンケートでは、「採用に直結していた」が34.2%と、前年よりも6.0Pt増加しました。「何かしら関連していそう」も合わせると8.6%増です。
経団連の『採用選考に関する指針』では、インターンシップを採用につなげることを禁じていたので、一定の抑止力が働いていました。就活ルールの形骸化が進み、通年採用という言葉が一人歩きしはじめたことで、時期を気にせず内定を出す(内定を受ける)ムードが高まっているように感じます。その結果、インターンシップと選考を結びつける動きが強まり、プレ期からの厳選化が顕著化したのでしょう。
<参加インターンシップと採用選考の関係>
22年卒 21年卒
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34.2% 28.2% 選考に直結していた
47.6% 45.0% 何かしら関連していそう
37.4% 39.4% 関係なさそうだった
8.2% 12.6% よく分からない
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※弊所、学生モニターアンケート1月より
直近の各社データを見ると、前年よりもハイペース気味に内定出しが進んでいます。しかし、昨年までの売り手市場による早期化とは違い、プレ期からの採用選考が進んだ結果でしょう。「量より質」を重視して、複数回に小分けした慎重な内定出しで、積み上げ式に内定者を確保していく。そんなコロナ禍ゆえの安全マージンをとった採用活動となりそうです。〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕
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