2021.02.02メールマガジン
【キャリアセンター長・インタビュー】日本大学 経済学部 就職委員会委員長(教授)米澤 聡士(さとし) 氏/就職指導課長 金澤 德智(のりとし) 氏
1889(明治22)年、山田顕義氏が創立した日本法律学校を前身とする。現大学名に改称した翌年、1904(明治37)年に「商科」として創設され、発祥の地である三崎町にキャンパスを構え、115年以上の歴史を誇る。JR水道橋駅から徒歩3分、新宿・渋谷・秋葉原などの主要駅からもアクセスしやすい都市型大学として、日本有数の教育機関となっている。
今回は、日本大学経済学部の就職委員会委員長・米澤教授と就職指導課の金澤課長にお話を伺った。
◆4年間で築き上げていくキャリア観
日本大学経済学部(以下、日大経済学部)は、1学年の学生数が約1,600人という大所帯です。入学時点では明確なキャリア観を持っていない学生もいます。最終的に目指すキャリアも多種多様です。それゆえ特定のキャリアに特化せず、個々の可能性を追求できるようなキャリア・就職支援を大切にしています。幅広い分野で、学生一人ひとりが能力を発揮し、職責を果たせる人材の育成を目指します。
昨春までの売り手市場の影響で、キャリア選択や就職活動を甘く考える学生もいます。自分のキャリア観を整理しないまま就職活動に臨んだり、やみくもにインターンシップに参加して安心したりするケースも見受けられます。選考時の「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」で問われるのは、大学生活そのものです。4年間の過ごし方が、キャリア選択や就職活動を左右します。就職活動を意識するタイミングで取り組んでも遅いと考えます。
だからこそ、自分は何をしたいのか・・・という問いに、時間をかけてじっくりと向き合ってほしいですね。長い人生、一般的にキャリア選択の機会は何度かありますが、これだけ多くの選択肢が用意されるのは、新卒時の就職活動だけです。将来を真剣に考える充実した4年間にしてほしい。そんな思いを抱きながら、日々学生と接しています。
◆具体的なキャリア教育システム
将来の方向性が漠然としている学生も、有意義な社会人スタートがきれるように、三段階のキャリア教育を実施しています。
<第一段階>
本学の教育理念「自主創造」(※1)を実践できる「自主創造型パーソン」を育成するため、全学共通初年次教育科目「自主創造の基礎」(※2)を全ての学部で展開しています。
例えば、経済学部の「自主創造の基礎1」(少人数でゼミ学習の基本を学ぶ導入教育)では、キャリアコンサルタントや東京労働局職員によるキャリア講座を設け、働くことの意義やキャリア選択を考えるスタートラインとしています。幅広い選択肢を知ることで、キャリア観の醸成につなげます。
<第二段階>
企業や官公庁の実際の仕事を現場で体験し、卒業後のキャリア観をより明確にするためのインターンシップを推奨しています。日大経済学部として「キャリア形成論」(インターンシップ・プログラム)(※3)を開講するだけでなく、公募型インターンシップに参加する学生を対象に、情報提供や事前・事後学習を支援する「インターンシップガイダンス」「インターンシップ準備セミナー」などをおこなっています。
また、企業の採用担当者に参加いただく「キャリアデザインセミナー」のように、社会人と触れ合える機会提供を大切にしています。
<第三段階>
キャリア観がある程度明確になった第三段階では、就職活動に必要なスキルやノウハウを提供します。資格取得支援講座(公認会計士・税理士・簿記1級・2級・FPなど)や、就職対策講座(エントリーシートの書き方、SPI 対策、面接トレーニングなど)など、実際のキャリア選択や就職活動に役立つ支援を実施しています。この段階になると、個別のキャリアに関するニーズや悩みも多くなってくるので、キャリアカウンセリングなどの細やかな支援も重要です。
日大経済学部では、このような三段階のステップを経て、少しずつ自分の進む道を探究してもらえる工夫をしています。
◆コロナ禍のキャリア・就職支援
今年度の新たな取り組みとして、22年卒生向けのハイブリッド業界研究会(企業研究会)があります。1月下旬にオンライン形式で8日間、2月下旬は2日間の対面形式で実施を予定しています(感染状況により変更の可能性あり)。合計すると約370社もの企業様にご参加いただきます。
昨年までは入試などの都合で、実施時期に制約がありましたが、オンライン化によって採用ニーズにあわせたタイミングで実施可能となりました。学生にとっても、適切な時期に企業と接触することができます。不自由な環境下ではありますが、できることを最大限に活かした取り組みをおこなってまいります。
もう一つの新しい取り組みとして、オンラインインターンシップがあります。従来は、前述の「キャリア形成論」(インターンシップ・プログラム)として、夏休みに2週間の職場体験を実施していました。2019年実績では、民間企業71社、官公庁18団体の方々にご協力いただきました。改めて感謝申し上げます。
今年度は新型コロナの影響で、本プログラム自体は中止となりました。しかし、これとは別に学生を受け入れてくださるインターンシップ先を探したところ、民間企業約20社、地方自治体8団体にご協力いただけることになりました。厳しい状況のなか、オンラインと対面を併用して約1週間のプログラムを実施してくださった皆様には、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
社会に貢献する「ひとづくり」を企業や官公庁、本学部教職員が一丸となって取り組めたことは、これまで積み上げてきた互いの信頼関係があってこそだと思います。これは日大経済学部の大きな財産と自負しています。
◆「自主創造」を体現した人材育成
大学生活の中心には学業があります。日大経済学部では、100以上の多彩なゼミナールから、『ゼミの内容』と『ゼミの特徴』で自分の興味・関心にフィットしたものを選ぶことができます(※4)。
経済学・経営学を中心とした「専門研究」だけでなく、文化・教育・言語学などの「教養研究」まで、多岐にわたる分野の学びを提供しています。
たとえば、私の米澤ゼミは国際経営論を専門にしているため、ゼミ生は海外のいろいろな情報に触れる機会が多くなります。すると、夏休みを利用して海外インターンシップに参加したり、海外一人旅を経験したりするゼミ生が少なからず出てきます。これ自体、キャリア選択に直結するわけではありません。
しかし、この経験を通じて、ゼミ生はグローバル化した社会で生かせる能力や資質を身につけ、確実に成長して帰ってきます。学業だけでなく、大学生でなければできない挑戦にこそ、彼らが大きく育つきっかけがあるように感じます。
本学部の学生は「明るく元気で、リーダーシップを発揮できる」といった評価をいただくことが多いようです。「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」「自ら考える」「自ら道をひらく」という能力を涵養していくことが、実社会で評価される人材育成につながっているのでしょう。
学生個々の良さを活かしながら、「自主創造」を体現できる人材を育んでいきたいと考えています。
※1
日本大学教育憲章
https://www.nihon-u.ac.jp/education_strategy/charter/about/
※2
「自主創造型パーソン育成」のための教育プログラム
https://www.nihon-u.ac.jp/education_strategy/vision/n_glanddesign/introduction/
※3
「キャリア形成論」(インターンシップ・プログラム)
https://www.eco.nihon-u.ac.jp/career/internship/
※4
ゼミを探すゼミナビ100
https://www.eco.nihon-u.ac.jp/seminar/
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<大学データ>
●日本大学会館(本部)
〒102-8275 東京都千代田区九段南4-8-24
TEL:03-5275-8110
http://www.nihon-u.ac.jp/index.html
●日本大学経済学部
https://www.eco.nihon-u.ac.jp/
就職指導課(本館1階)
https://www.eco.nihon-u.ac.jp/career/
〒101-8360 東京都千代田区神田三崎町1-3-2
TEL:03-3219-3313
[学科]
経済学科、経済学科国際コース、産業経営学科、金融公共経済学科
[大学院]
経済学研究科(6コース)
・経済、・金融、・公共経済、・経営、・会計、・税法
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