2024.07.30メールマガジン

就活終了加速、内定承諾判断は親のアドバイス重視/内定承諾書の拘束力低下、内定辞退は8月頃に増加か 他

2025年の内々定率が上昇しています。
徐々に内々定先の承諾/辞退のフェーズに移りますが、25卒の学生を対象に「活動実態」「承諾・辞退」「内定承諾書の拘束力」などを調査しました。また、早期化・過熱化する就活について、学業との両立が可能だったのか否か、将来の年収・結婚感についても、幅広く調査しました。

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■TOPICS
【1】就活終了加速、内定承諾判断は親のアドバイス重視
【2】内定承諾連絡の本気度低下、内定辞退は8月頃に増加か
【3】就活と、学業との両立
【4】将来の年収・結婚観
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【1】就活終了加速、内定承諾判断は親のアドバイス重視
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アンケート結果によると、学生の就職活動状況において、79.3%が「就職活動を終了した」と回答しており、昨年より6.7%増加しています。一方で「まだ内定をもらっていないので、就職活動を継続」という回答は9.0%で、昨年から7.7%減少しました。この結果は、多くの学生が早期に就職活動を終えていることを示しています。

内定を承諾する企業を決める際に参考にした情報についてのアンケート結果では、「企業HP」(60.2%)が最も多く選ばれていますが、昨年より9.4%減少しています。次いで「実際に働いている社員・OBOGなどの話」(45.5%)も6.2%減少しています。しかし「親の意見・アドバイス」(39.8%)が昨年より9.4%増加し、3位に上昇しており、親の意見を重視する傾向が強まっていることが分かります。

「離職率・残業時間など労働条件の数値」(38.6%)はほぼ変わらず、依然として重要な情報源として認識されています。「転職サイト等の口コミ」(34.1%)や「業績・売上・利益などIR情報・財務情報」(34.1%)はそれぞれ減少傾向にある一方で、これに対して、「ネット検索で見つけた記事・情報」(28.4%)は6.3%増加しており、学生が多様な情報源を活用して企業を評価していることが分かります。

全体的に、学生たちは親の意見を重視する傾向が強まり、従来の情報源に対して依存度を減少させています。これは、家庭内での支援が重要視されていることを示し、就職活動における不安感や情報過多の中で信頼できる助言を求める姿勢が伺えます。

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●「就活終了」が昨対比で+6pt超。
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Q.現在の就職活動状況を教えてください(択一)
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回答 《昨対比》 選択肢
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9.0%《-7.7》 まだ内定をもらっていないので、就職活動継続
3.6%《+1.2》 現在の内定先は不満なので、就職活動を続ける
8.1%《-0.2》 現在の内定先に不満は無いが、就職活動を続ける
79.3%《+6.7》★就職活動終了した

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●内定承諾するにあたり、「親の意見・アドバイス」を参考にする
 比率が約10pt増加して3位に上昇。
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Q.「就職活動を終了した」を選択した方にお聞きします。
  内定を承諾する企業を決めるにあたって、
  参考にした情報を全て教えてください(複数選択)
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回答 《昨対比》 選択肢
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60.2%《 -9.4》 企業HP
45.5%《 -6.2》 実際に働いている社員・OBOGなどの話
39.8%《 +9.4》★親の意見・アドバイス
38.6%《 -0.7》 離職率・残業時間など労働条件の数値
34.1%《-11.8》 転職サイト等の口コミ
34.1%《-10.2》 業績・売上・利益などIR情報・財務情報
28.4%《 +6.3》 ネット検索で見つけた記事・情報
25.0%《 -6.1》 友人・知人・先輩のコメント・アドバイス
15.9%《 +1.2》 X(旧Twitter)などのSNS
3.4%《 +0.1》 2chなどの掲示板
2.3%《 +2.3》 特に何も見ずに決めた
1.1%《 -2.1》 その他

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【2】内定承諾連絡の本気度低下、内定辞退は8月頃に増加か
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学生の「内定承諾連絡」に対する意識が変化していることが浮き彫りになりました。「必ず入社しなければいけない」や「可能な限り入社しなければいけない」と考える学生の割合は昨年と比較してそれぞれ5.2%および9.2%減少。一方で「断る可能性も視野に入れて提出できればいい」や「とりあえず提出できればいい」と考える学生の割合は、それぞれ10.1%および4.3%増加しています。

学生たちが企業からの内定承諾連絡に対して、以前よりも拘束力を感じなくなっていることが示唆されます。特に断る可能性を視野に入れている学生が増加している点は、現代の就職活動の不確実性や多様な選択肢を反映していると言えるかもしれません。

また、辞退連絡も遅れる傾向が見受けられ、さらに「連絡するつもりはない」と考える学生も増加しています。学生が情報不足のまま就職活動に進み、最終的な判断をより慎重行うために、内定承諾の時期を引き延ばす傾向が強まっていることを示しています。企業側にも、承諾連絡後も、丁寧な情報発信が求められていると言えます。

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●内定承諾連絡の本気度が低下、承諾連絡では安心できない可能性。
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Q.「内定承諾連絡」の拘束力についてお聞きします。
  企業から「内定通知」を受けた後、企業に「内定承諾連絡」を
  する場合、どのくらいの意思を持つべきだと思いますか(択一)
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回答 《昨対比》 選択肢
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16.2%《 -5.2》 必ず入社しなければいけない
37.8%《 -9.2》 可能な限り入社しなければいけない
33.3%《+10.1》★断る可能性も視野に入れて提出できればいい
12.6%《 +4.3》★とりあえず提出できればいい

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●内定辞退の連絡は、昨年より後ろ倒しの傾向。
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Q.現在、複数内定を保持している方に質問です。
  いつごろまでに、はっきりとした辞退の意向を連絡しますか(択一)
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回答 《昨対比》 選択肢
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75.0%《-7.9》 8月ごろ
18.8%《+7.3》★10月(内定式)前ごろ
0.0%《-2.9》 年内
0.0%《+0.0》 翌3月ごろ
6.3%《+3.4》★連絡するつもりはない

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【3】就活と、学業との両立
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アンケート結果によると、「ガクチカ」において最も多くの学生がテーマにしていたのは「アルバイト」(60.4%)でした。次いで「部活動・サークル活動」(38.7%)と「ゼミ・研究活動」(37.8%)が続き、集団の中での行動・立ち振る舞いの中から、面接でのアピールポイントを見出している結果となりました。一方で「資格取得」(5.4%)や「委員会活動」(3.6%)などの割合は低く、特定のスキル等への関心は比較的少ない結果となりました。

また、学業との両立においては、大多数の学生が「両立できた」と回答。「出来なかった理由」として、「学校・教授の理解」(15.4%)等は低く、主な原因は「就活全体のスケジュール感」(84.6%)という結果となりました。

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●ガクチカの6割超が「アルバイト」、次いで「部活サークル」「ゼミ」。
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Q.「ガクチカ」にしていたテーマを教えてください(複数選択)
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回答 選択肢
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60.4% アルバイト
38.7% 部活動・サークル活動
37.8% ゼミ・研究活動
16.2% 学業・受験
11.7% インターンシップ
10.8% ボランティア活動
8.1% 趣味
5.4% 資格取得
3.6% 委員会活動
3.6% 習い事
3.6% その他
1.8% あてはまるものはない

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●8割近くの学生が学業と就活を両立。「両立できなかった」背景に、
 「就活全体のスケジュール感」を理由とする声が多数。
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Q.学業と就職活動を両立できたと思いますか(択一)
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回答 選択肢
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51.4% そう思う
27.9% どちらかといえばそう思う
9.9% どちらかといえばそう思わない
10.8% 思わない

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Q.「思わない」「どちらかといえばそう思わない」を選択した
  方に質問です。就活との両立をしようと試みましたか(択一)
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回答 選択肢
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
56.5% 両立をしようと思っていたができなかった
43.5% 両立をしようとは思っていなかった

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Q.「両立をしようと思っていたができなかった」を選択した
  方に質問です。就職活動で発生する問題点や不都合について、
  原因の所在はどこだと感じますか(複数選択)
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回答 選択肢
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
84.6% 就活全体のスケジュール感
38.5% 企業側のスケジュール対応
15.4% 学校・教授の理解
23.1% 就職情報会社の煽り
7.7% その他
0.0% あてはまるものはない

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【4】将来の年収・結婚観
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アンケート結果によると、将来30歳になった時の理想年収について、多くの学生が500~700万円を目標としています。「500~600万円」を希望する回答が22.5%、「600~700万円」が18.9%であり、昨年よりそれぞれ1.3%および2.1%増加しています。全体の平均理想年収は642万円で、昨年の628万円から上昇しています。この上昇は、学生たちが将来の収入に対する期待値が高まっていることを
示しています。一方「300万以下」や「300~400万円」といった低い年収の選択肢は減少傾向にあり、0.0%および6.3%と昨年より減少しています。これは、学生たちが自分のキャリアに対してより高い目標を持っていることの表れと言えるでしょう。

また「将来の結婚と仕事」に関するアンケート結果では、「結婚しても共働きしたい」という回答が76.6%と圧倒的に多く、昨年より4.4%増加しています。これは経済的な自立やキャリア継続を重視する学生が増えていることを示しています。一方で、「結婚したら、専業主婦(夫)になりたい」という回答は8.1%と少数派であるものの、1.5%増加しています。また「結婚したいと思わない」という回答が12.6%と一定数存在し、0.6%増加しています。これは学生たちが結婚よりも個人の自由やキャリアを優先する傾向があることを示していると考えられます。

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●30歳の理想年収は14万円上昇して642万円。結婚後の仕事については、
 共働き志向が加速。
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Q.将来30歳になった時の、理想年収を教えてください(択一)
  ※世帯収入ではなく、自分個人の年収
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回答 《昨対比》 選択肢
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0.0%《-0.9》300万以下
6.3%《-2.9》300~400万円
20.7%《-0.5》400~500万円
22.5%《+1.3》500~600万円
18.9%《+2.1》600~700万円
10.8%《+1.6》700~800万円
3.6%《-1.1》800~900万円
15.3%《+0.4》900万円以上
0.9%《-0.4》(配偶者などに)扶養されていたい
0.9%《+0.3》その他
<平均>642万円
※昨年 628万円

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Q.将来の結婚と仕事について教えてください(択一)
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回答 《昨対比》 選択肢
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76.6%《+4.4》結婚しても、共働きしたい
8.1%《+1.5》結婚したら、専業主婦(夫)になりたい
1.8%《-0.4》結婚したら、配偶者に専業主婦(夫)になってほしい
12.6%《+0.6》結婚したいと思わない
0.9%《-6.1》その他

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いかがでしたでしょうか。

学生アンケート調査は、以下に掲載予定です。
https://www.careerpartners.co.jp/type_laboratory_news/enquete/
※全データをご希望の場合は、同HPよりご請求ください

その他、定点学生アンケートなどのリリースはこちらからご確認ください。
https://www.careerpartners.co.jp/laboratory/

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
〔ブンナビ編集長 間宮 康之〕
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