2025.03.18メールマガジン
【キャリアセンター長・インタビュー】東京未来大学 キャリアセンター 特任教授 安田 伊佐男 氏/キャンパスアドバイザー 逸見 亜耶 氏
2007(平成19)年に開学した大学で、最寄り駅は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の堀切駅。そのホームから間近に校舎が見えるほどアクセスが良く、緑豊かな荒川河川敷沿いにあるキャンパスは、人気テレビドラマ『3年B組金八先生』のロケ地となった旧・足立区立第二中学校の跡地でもある。
今回は、東京未来大学キャリアセンター特任教授の安田伊佐男氏(以下、安田氏)と、キャンパスアドバイザーの逸見 亜耶氏(以下、逸見氏)にお話を伺った。
▼4つのビジョンと6つの育成テーマ
安田氏:
本学は「技能と心の調和」を教育理念としています。これは母体となる三幸学園の教育理念でもあり、技能(専門知識や技術の習得)に加えて、心(周囲から尊敬され、親しまれる人間性)を併せ持つ人を育てる教育を表しています。三幸学園は多くの専門学校を運営しており、そこで培った「確かなスキルを習得するシステム」と、4年制大学でなければ不可能な「高度な学識を習得するシステム」を両立させた教育を実践しています。
創設者である鳥居秀光は、大学設立にあたり4つのビジョンを提唱しました。これが本学のキャリア・就職支援の礎にもなっています。
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【1】学生のための大学(教員中心の大学から学生中心の大学へ)
【2】面倒見のよい大学(自由放任の大学から面倒見のよい大学へ)
【3】魅力的な講義と豊富な実習の大学(学識教育だけでなく、実習体験を重ねて、実際に役に立つスキルを体得できる大学へ)
【4】教員と学生の距離が近い大学(いつでも研究室に寄り、おしゃべりができる大学へ)
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また、6つの育成テーマ「大学4年間を濃く生きる」「柔軟な思考力・学力を養う」「企業・組織で役立つスキルを学ぶ」「自分らしさを伸ばし就職する」「現場から学び成長する」「フィールドを飛び出して挑戦する」を掲げ、具体的な24の「しくみ」を設けて、社会が求める“人財”の育成を目指しています(※1)。
まだ歴史が浅く小規模な大学ですが、だからこそできる教育やキャリア・就職支援があります。それを強みとして日々学生たちのサポートにあたっています。
▼独自の「キャンパスアドバイザー制度」
逸見氏:
私たちは学生を3方向からサポートしています。1つが専門科目の教員、そしてクラス担当の教員、最後がキャンパスアドバイザー(以下、CA)です。そのなかでもCAは本学独自の制度と言えるでしょう(※2)。
多くの大学では、授業のことは教務課、就職のことは就職課というように、学生がそれぞれの窓口で相談するスタイルだと思います。しかし本学では、すべての相談ごとをCAが受けとめ、専門部署や教員などと連携しながら、成長をうながすアプローチをしていきます。
このCA制度は入学前の進学相談(オープンキャンパス)からスタートします。担当した学生の進学状況を確認して、入学後すぐに個別面談をおこない、大学という新しい環境に慣れるまで一人ひとりの様子を見ていきます。その後は、半年に1度の個別面談を繰り返しながら、目標や挑戦したいことなど、本人の成長計画を一緒に考え、成果を確認します。PDCAサイクルを回す習慣を身に付け、自ら成長できる人材になることを目指しています。
就職支援もCAがおこないます。学生がこれまでに取り組んできたことを近くで見ているので、「エントリーシートに書くことがない」といった相談にもスムーズに対応できます。また学生情報はカルテのように一人ずつデータ化しているので、状況に応じて別CAが支援することも可能です。学生が相談に来たときに、機会を逃さずサポートできる体制を心掛けています。
安田氏:
1学年約400人という規模だからできることかもしれませんが、就職支援スタッフ1人当たりの学生数が53.2人という数字は、就職支援スタッフが担当する学生数として全国でもっとも少ないそうです(※3)。面倒見のよい充実したシステムで、学生一人ひとりの成長をうながし、社会が求める“人財”を育成していくことを大切にしています。
▼学生の成長をうながす多彩なイベント
逸見氏:
年間を通してさまざまな行事があることも本学の特徴でしょう。近隣の小学生たちと一緒に楽しむ「こどもみらい祭」や親子で参加できる「クリスマスフェスタ」を企画・運営したり、クラスごとに個性豊かな発表をおこなう「プレゼンテーション大会」を実施したりと、仲間と一緒に取り組むイベントが目白押しです。多様な経験ができる機会を提供し、充実した大学生活を過ごしてもらうことが、学生の成長へとつながっていきます。
年間行事のなかで、もっとも盛り上がるのが「MIRAI FES.」です(※4)。文化祭と体育祭を融合したようなイベントで、学部学年を超えて3つのチームに分かれ、3日間かけて実施されます。1日目と2日目は「こどもから大人まで楽しめる企画&出店・出展」がおこなわ
れ、地域住民など多くの方々が来場します。3日目は「スポーツと表現の祭典」です。競技だけでなく、応援団演舞やパフォーマンスなど、学生たちが時間をかけて準備し、練習した成果をチーム一丸となって発揮していきます。毎年CAとして近くで見守っていますが、大きく成長していく学生の姿にいつも感動してしまいます。
安田氏:
CAは絶妙なタイミングと距離感で学生をサポートしていて、私から見ても、その育成力には感心します。学生からすれば頼りになる相談相手ですが、CAは安易に手助けすることはありません。状況を見ながらアドバイスを伝えたり、ときにはじっくり待ったりと、学生のやる気を醸成していきます。数多くのイベントは、支援と育成の場として学生のマインドセットをうながす機会にもなっています。「MIRAI FES.」は広く開かれたイベントなので、企業の皆様にも、ぜひご見学していただきたいと考えています。ここでの学生の飾らない様子やイキイキとした表情は、採用活動のなかでは見られないものでしょう。今年は11月8日・9日・11日におこなわれます。とくに代々木第二体育館で実施される3日目は、全学生が一堂に会して真剣に取り組む勇姿をご覧いただけるはずです。見届けていただけると嬉しく思います。
▼未来へとつながる伝統と文化
逸見氏:
本学の学生は、人懐っこく周囲の人と自然に打ち解けられるタイプが多いと言えます。CAにもオープンマインドで、素直に気持ちを伝えてくれるのでサポートしやすいのですが、それゆえ手を出しすぎないよう、自立を大切にした育成を意識しています。学生を信じて、じっと待つ時間も大事な支援プロセスです。
大学生活の伴走役となるCAは、学生に大きな影響を与える存在です。だからこそCAの育成には時間も労力もかけています。OJTを基本に1年目はメンターについて仕事を覚えてもらい、2年目からはサポーターの助言を受けながら学生支援のスキルを上げていきます。3年目には独り立ちしますが、CA同士でサポート方法を相談したり事例を共有したりと、常にスキルアップを心掛けています。何年やっても学ぶことが多い仕事ですが、それがこの仕事の楽しいところでもあります。
学生支援の成果の1つに就職実績がありますが、内定率は99.7%と高水準を維持しています。ただ私たちは内定率より実就職率(就職者数/(卒業生人数-大学院進学数))を大切にしています。おかげさまで、東京エリアの心理分野の大学(卒業生1,000人未満)で、2022-2024年の三年連続一位を獲得するなど、私たちの取り組みが一定の成果となって表れていることを嬉しく感じます。
安田氏:
私が就任した2015年当時と比べて、CA制度にしても、就職実績にしても驚くほどレベルアップしました。逸見をはじめ、CAメンバー全員が「学生のために何ができるか」を考え、新しいことに取り組み続けてくれたおかげです。こうして積み重ねてきたことが、少しずつ本学の伝統となり、文化になっていると実感します。本学のことを多くの企業や人々に知ってもらい、ファンになってもらえるよう、これからも尽力していきたいと思います。
〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕
※1
6つの育成テーマと24の「しくみ」
https://www.tokyomirai.ac.jp/feature/program.html
※2
キャンパスアドバイザー
https://www.tokyomirai.ac.jp/feature/support/ca/
※3
「学生数に対して就職スタッフが充実」TOP100大学
https://toyokeizai.net/articles/-/858369
※4
MIRAI FES.2024
https://www.tokyomirai.ac.jp/miraifes/2024/
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<大学データ>
東京未来大学
http://www.tokyomirai.ac.jp/
〒120-0023 東京都足立区千住曙町34-12
TEL:03-5813-2525
FAX:03-5813-2529
キャリアセンター(一般企業、公務員、進学)
E-mail: career-ml@tokyomirai.jp
保育・教育・福祉就職担当
E-Mail: hk-career@tokyomirai.jp
[学部]
○こども心理学部
こども保育・教育専攻、心理専攻
○モチベーション行動科学部
モチベーション行動科学科
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