2024.09.24メールマガジン
【キャリアセンター長・インタビュー】中央学院大学 就職部次長 就職課長 中村 憲司 氏
1900(明治33)年、高楠順次郎らにより創立された「日本橋簡易商業夜学校」を起源とする。1966(昭和41)年には商学部商学科の単科大学として、千葉県我孫子町(現・我孫子市)で開学。その後、1985(昭和60)年に法学部を、2017(平成29)年には現代教養学部を開設した。現在は3学部、1学年約800人の若者が学修やクラブ活動に励んでいる。
今回は、中央学院大学、就職部次長の中村憲司氏にお話を伺った。
▼キャリア・就職支援における取り組み
本学は「公正な社会観と倫理観の涵養」を建学の精神としています。「少数教育を通じて公正な社会観と倫理観を涵養し、人権感覚や共生意識を育むことにより、複雑化する現代社会を生き抜くための実力と創造力を備え、社会に貢献できる有能な人材を育成する」という教育理念をベースに、学生一人ひとりの個性や可能性を伸ばしていくことを大切にしています。
キャリア・就職支援としては、自らのキャリア形成をスタートする準備が整えられるよう、大学生活4年間を通したプログラム設計をしています(※1)。近年は、低学年向けのアプローチが増えていますね。入学時の学内研修「プライムセミナー」でおこなう自己発見プログラムでは、自己理解を深めることができます。
1年生全員を対象にしたキャリアガイダンス(キャリア入門編)では、卒業後の自分をイメージしながら、目的を持った大学生活を送ってもらうことを目指しています。
2年生対象のキャリアガイダンスは、これまで秋のみの実施でしたが、春・秋の2回実施にしました。本学の場合、ガイダンス参加率は7~8割と高いので、継続的に情報提供していくことで、3年生からはじまるインターンシップへの意識付けを狙っています。
3年生になれば、就活支援プログラムとして就職ガイダンスや各種講座など、時期に応じた支援をおこなっています。
新たな取り組みとして、昨年度から川村学園女子大学(我孫子キャンパス)さんと連携した学内企業セミナー(学内合同企業研究会)をはじめました。本学は対面型、川村学園女子大学さんはオンライン型の実施でしたので、補完し合えるよう、互いのプログラムへの参加を可能にしたのです。
また、男子の割合が多い本学と女子大という組み合わせにより、参加学生の多様性もアップしました。学生と企業、そして大学にとってもメリットが多い取り組みなので、参加学生を増やして、さらに盛り上げていきたいですね。
▼インターンシップ支援の現状
大学を選ぶとき、多くの学生はオープンキャンパスに参加します。学内の雰囲気や先輩達の様子を見て、そこで学ぶ自分をイメージしながら進路決定するわけです。就職先を考える際も同様でしょう。
働く自分をイメージできるオープン・カンパニーやインターンシップといった機会は重要です。職場の雰囲気や仕事の様子を体感し、そこで得た気付きをキャリア選択に活かしてほしいので、積極的な参加を呼びかけています。
最近は、コスパやタイパを重視しているためか、興味ある企業だけに応募する学生が目立ちます。自身のキャリア観を明確にするためには幅広い見聞が必要ですし、思いがけず出会った企業に興味の持つこともあるはずです。志望度が高い分野だけでなく、「ちょっと違うかも」と感じるような分野にも目を向けてもらうことを大事にしています。
インターンシップへの関心は高いのに、動き出すとなると物怖じしてしまう学生も少なくありません。事前選考を課すものを敬遠したり、「ここなら大丈夫そう」「難しくなさそう」と感じるプログラムばかりに応募したりと、背伸びをしない安全な就職活動を望んでいるようにも見えます。学生の可能性や選択の幅を広げられるようなアプローチをしたいですね。
大学を窓口にしたインターンシップ(※2)では、公務員向けのプログラムを多く提供しているという特徴があります。もともと本学の法学部は、地方公務員の養成を主眼として開設されました。なので、千葉県内の地方自治体インターンシップには多くの学生が参加して
います。地方公務員の輩出が多い大学として、地元からの認知も定着しているように感じます。
▼受け身にさせない「STAND BY YOU」な支援
本学のスローガン「STAND BY YOU」(※3)は、学生一人ひとりにとって身近な存在である教職員が大学生活をサポートしていく姿勢を示しています。キャリア・就職支援では、近くで見守りつつ、手をかけすぎないことを意識しています。手取り足取り指導する方が学生からは喜ばれるのですが、本人の成長にはつながりません。就職ガイダンスなどで「気軽に就職課に来てほしい」と伝えますが、そこでの支援は受け身にさせない対応を心掛けています。
昨今、オファー型就活サイトを利用する学生が増えたので、活用法をレクチャーする講座を過去に実施したことがあります。しかし、今は
控えています。数行の自己PRを書いただけでオファーがくることに違和感がありますし、企業からのオファーを待っていれば良いと考える学生が増えることも懸念します。主体的なキャリア選択をしてもらうため、学内での紹介は見合わせています。
外部サービスの学内活用としては、就活エージェントが挙げられます。エージェント支援が適していると感じる学生もいますし、利用を希望する学生もいます。それなら学内で対応してもらい、紹介状況を就職課と共有した方が、効果的な支援がおこなえます。今は信頼できる担当者がいるエージェント会社に来てもらい、学生対応をお願いしています。
キャリア・就職支援をする立場として、「学生を子ども扱いしない」ことを大切にしています。私が「してあげる人」で、学生が「してもらう人」という関係では、本学が目指す「STAND BY YOU」にはなりません。支援は私の仕事であり、学生より偉いわけでも、上位なわけでもありません。対等な立場で子ども扱いせずに、やり過ぎない支援を心掛けています。
▼連携し協力し合う支援
本学は体育会系の強化指定クラブがあり、活躍してくれているからでしょうか。スポーツ人材を求める企業から非常に多くのお声がけいただきます。選手ばかりでなく、学生マネージャーやコーチへの評価も高く、「同期のまとめ役になっている」といった評判を聞くと嬉しくなりますね。
卒業後の進路は、アスリートを目指す者もいれば、普通に就職する者もいるので、就職課よりもクラブ内の支援で決める学生がほとんどです。
採用担当者の方から、学内企業セミナー(※4)の参加要望をいただくことが多々あります。現在は約300社に案内をさしあげて、先着100社に参画いただいています。この300社の見直しは適宜おこなっていますが、新規でお声がけする企業は長期的な信頼関係を重視して選んでおります。地元企業を中心に協力し合いながら、社会に貢献できる人材を輩出していきたいと考えています。
一点、企業の皆様にお願いがございます。内定を出すときや内定承諾を受けたとき、一言「大学へ報告してね」と伝えていただけますでしょうか。進路報告のない学生を一人でも減らせれば、その分、学生支援に時間を割けます。状況によっては、一緒になって学生をフォローしていくことも可能です。どうかよろしくお願いいたします。
学生支援は、私たち就職課だけで完結することはありません。他大学との連携や外部サービスの活用、そして、就職先となる企業との協力が欠かせません。関係者の皆様とのつながりを大切にしながら、今後も学生の個性や可能性を伸ばしていけるような取り組みを実施していきたいと思います。
〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕
※1
4年間の就職支援プログラム
https://www.cgu.ac.jp/career/support.html
※2
大学経由のインターンシップ
https://www.cgu.ac.jp/career/internship.html
※3
大学スローガン「STAND BY YOU」
https://www.cgu.ac.jp/visitor/general/about.html
※4
学内企業セミナー
https://www.cgu.ac.jp/career/company-seminar.html
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<大学データ>
中央学院大学
https://www.cgu.ac.jp/
〒270-1196 千葉県我孫子市久寺家451
TEL:04-7183-6501(代)
就職課(100周年大学記念館(本館)2階)
TEL:04-7183-6520
E-mail: shushoku@cgu.ac.jp
<学部>
○商学部 商学科
商学総合コース、経営コース、国際ビジネスコース、会計コース
経済コース、情報コース、スポーツキャリアコース
○法学部 法学科
司法コース、行政コース、ビジネスキャリアコース、
フィールドスタディーズコース、
スポーツシステムコース
(2025年度よりスポーツマネジメントコースに変更予定)
○現代教養学部 現代教養学科
<大学院>
○商学研究科(修士課程)
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